どこまで自分でできるか(パイプからの水漏れ)

!申し訳ございません、現在工事中です、しばらくお待ち下さい。

パイプからの水漏れはなかなか発見できないのが常ですが、うまく発見できた場合、業者に依頼するのが近道ですが、 休みの日などは困りますね。少し応急処置の方法をご説明します。継手部分などで漏れている場合は継手や配管の一部を交換する必要がありますので、 「一部配管替え」でご説明します。

応急処置

パイプに小さな穴やヒビが有ったとき

比較的古い建物などでは、水道管に鋼管を使っています。長い年月を経て内部から腐食が始まり、 あるとき表面に小さな穴があいて水が漏れ出すときがあります。また、硬質塩化ビニル管やポリエチレン管などでは、 小さなヒビが入ることもあります。

!まず最初に元栓を止めてください。それから材料と道具を用意しましょう。

材料と道具の準備

必要な材料は、立て管バンド薄い板ゴムです。道具はスパナモンキーレンチが2個必要です。 立て管バンドは水漏れしているパイプの口径より一回り大きいものを選びます。家庭用の水道管はほぼ2種類の口径の管が使われています。 呼称で言いますと、硬質塩化ビニル管とポリエチレン管は13ミリと20ミリ、鋼管は15A(1/2B)と20A(3/4B)です。 それぞれ外径は、下欄の表を参照してください。

例:13ミリの硬質塩化ビニル管には、20ミリ用の立て管バンドを使います。

管径対応早見表
管の種類呼び径外径
硬質塩化ビニル管13ミリ22.0mm
硬質塩化ビニル管20ミリ26.0mm
硬質塩化ビニル管25ミリ32.0mm
ポリエチレン管13ミリ21.5mm
ポリエチレン管20ミリ27.0mm
ポリエチレン管25ミリ34.0mm
鋼管15A(1/2B)21.7mm
鋼管20A(3/4B)27.2mm
鋼管25A(1B)34.0mm

上記の表を利用して、購入するべき板ゴムを選びます。たとえば、13ミリのパイプを修理する場合は、 一回り大きな20ミリ用の立て管バンドを購入し、外径の差の1/2の厚みの板ゴムを購入します。

例:20ミリの硬質塩化ビニル管の外径から13ミリの硬質塩化ビニル管の外径を差し引いたものを2で割ります。
(26.0-22.0)/2=2.0mm となりますが、止水するためには少し厚めの板ゴムにしておきましょう。
この場合2.5mmから3.0mmくらいが適当でしょう。

実際の修理

材料の準備が整えばいよいよ実際の修理です。板ゴムを立て管バンドの幅より少し広い目に、 また、修理するパイプの外周より少し短めの長方形にカットします。外周の求め方は外径に円周率を乗じた値ですから

この例で言えば、13ミリの硬質塩化ビニル管ですから、22.0×3.14=69.08mmとなりますので、 少し短い目の65mmすなわち6.5cmでよいでしょう。幅は立て管バンドの幅プラスアルファ、長さ6.5cmの長方形にカットします。

後は、板ゴムを水漏れしている穴に当てて、立て管バンドを上からあてがいスパナかモンキーレンチを使って締め付けるだけです。 ボルトとナットが供回りしないように両方に工具を使いましょう。ボルトが2本ある場合は交互に少しずつ締めて下さい。 閉めすぎてもパイプが壊れることはありませんが、立て管バンドが変形し始める手前で止めておきましょう。 このとき板ボムの継ぎ目が目的の穴やヒビのところに来ないように注意してください。

出来上がったら元栓を開けて確認します。以上で完了ですが、なるべく早い時期に水道屋さんに修理して貰いましょう。

一部配管替え

この領域に入ってくるといよいよ水道屋の本業です。気合いを入れて掛からないと最悪の事態を招きます。 実はパイプ自体に穴があいたり、ひびが入る場合よりむしろ、継手部分に何らかの故障が出る場合が多いものです。 継手部分から水漏れが発生した場合、その継手を含む配管を一部取り替えなくてはなりません。

既に出来上がっている配管ですから、土に埋まっていたり、壁や柱に固定されていたりしてなかなかやりにくいものです。 それでも何とかつなぎ替えなければなりません。

!このコーナーでは硬質塩化ビニル管のみ取り扱います。まずは大まかに材料から説明します。

硬質塩化ビニル管用継手

エルボ部分の布設替え

!まず元栓を締めて下さい。

いわゆるエルボの取替になるのですが、比較的簡単に出来る場合が多いようです。 他の修理もこれの応用だと考えて差し支えありません。最後にエルボで仕舞うというのが1つのコツです。

使う材料はエルボが1個、ソケットが2個、パイプが適宜。
使う道具は金切りのこまたは塩ビ管カッター、パイプ面取り器、ウエス、接着剤。

手順1:エルボを取り外す。

エルボを取り替えると言ってもエルボだけを取り替えるのは無理ですから、パイプも少し一緒に取り替えます。 エルボから少し離れたところで両側のパイプを切断します。この後両方のパイプを延長して最後にエルボを付けるわけです。 パイプの延長にはソケットを使います。つまりソケットの差し込み代を考慮して切断しなくてはいけません。

手順2:両方のパイプを延長する。

エルボを切り取ったら、これから修理するパイプの切り口をパイプ面取り器で整形します。 その後ウエスでホコリや油脂などが無いように清掃します。

ソケットの片方の内面と、修理するパイプの外面に薄く均一に接着剤を塗布します。このとき垂れるほ接着剤をぬってはいけません。 ソケットをパイプに被せ強く押しつけます。そのまま10ほど数える間、手で固定して置いてください。 抜けてこないか確認しながらゆっくり手を離します。同じ作業をもう片方のパイプにもして下さい。 先ほど切り取った長さくらいのパイプを2本用意して、それぞれのソケットに先ほどと同じ手順で取り付けます。 この状態でパイプ同士が交点でつき合わせたようになっているはずです。 つき合わさった状態ではエルボが取り付けられませんので差し込み代などを考慮して両方のパイプを少し切断します。 切断したパイプは面取り器で整形しておきましょう。

手順3:エルボを取り付ける。

両方のパイプを少し動かしてみて下さい。よく動く方を覚えておきましょう。 エルボを付けるときは片方ずつですと角度が狂う場合がありますので一気に両方接着してしまいます。 両方のパイプの外面と、エルボの両側内面に接着剤を薄く均一に塗布します。 よく動く方のパイプにエルボを差し込んで下さい。その後パイプの動きとシナリを使用してもう片方の継手を差し込みます。 相手側も少し動かす必要があるでしょう。10数える間手で固定していて下さい。 抜けてこないか確認しながら手を離します。これで完了です。

出来上がったらしばらくそのまま放置して置いて下さい。すぐに元栓を開けてしまうと抜けてしまうおそれがあります。 最低でも約10分出来れば30分ほど放置してから元栓を開けて下さい。元栓を開けるとき出来れば近くの水栓を開けた状態で行って下さい。 水が出たことを確認してから水栓を止めます。こうすると修理の時にパイプの中に入った空気がうまく出ますし、 通水時の衝撃が修理部に伝わらず安全です。 ご健闘を祈ります。

チーズ部分の布設替え

直線部分の布設替え

ちょっと気になる話

パイプからの水漏れはそう簡単に起こるものではありませんが、最近パイプからの水漏れが発生する原因となる家電製品が増えています。 まず1つは、全自動洗濯機が漏水を招くことがあります。

全自動洗濯機はボタンを押せば後は干すだけと言う便利なものです。 つまり水道の開け閉めも自動でやってしまいます。ここに問題があるわけです。

水道の開け閉めには電磁弁という電磁石で動く開閉弁を使っています。洗濯機への給水が始まるときと止まるときに「ドンッ」という音がするのをご存じでしょう。 あれが電磁弁の動作音です。

音からわかるように瞬時に開閉してしまいますから、それに伴ってウォーターハンマー(水撃作用)という現象が起こります。 ウォーターハンマーが起こると水圧が通常の3倍にも達することがあり、毎日の洗濯でこれが繰り返されるわけです。

もうお解りと思いますが、この繰り返しが水道管の継手部や曲がり部分などにダメージを与えます。 事実洗濯機を全自動に替えてからしばらくして水漏れの発生したお宅がたくさんあります。

最近の洗濯機はこの現象に少しでも対応しようとしており、給水のためのホースが柔らかいものに変更されています。お気づきでしたか。 また、洗濯用の水栓としてウォーターハンマー防止装置の付いた水栓も用意されています。

もう一つの家電製品は、鋭い方なら既にお気づきかも知れませんが、全自動食器洗浄乾燥機です。 最近急速に普及し始めていますが、これも水道業界では問題になっているところもあります。 据え置きタイプの場合、既に付いている水栓から分岐して給水するわけですが、この分岐方法にも色々問題があるようです。


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Updated: April,10,2015.